株主・投資家のみなさまへ

高度な専門知識や情報力をもとに事業展開

株主・投資家のみなさまにおかれましては、平素より格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。

当社は無機化学品の卸として1937年に創業し、1951年からは、現在でも主要取引先である花王株式会社(当時は花王石鹸株式会社)との取引をはじめました。当初は脂肪酸を中心に販売を行っていましたが、その後、繊維関連や自動車関連の製造工程で使用される薬剤を扱いはじめて事業を拡大し、今では、パーム油など天然油脂を原材料とするオレオケミカルズ(油脂化学品)の専門商社という独自のポジションを確立しています。中でも高級アルコールの取り扱いは国内トップシェアを誇っているのが強みです。

長年培った高度な専門知識や情報力を活かし、化学品事業において川上(原材料メーカー)から中間製品メーカー、さらに川下(最終製品メーカー)まで幅広くカバーするビジネスモデルを構築し、収益性の高い最終製品メーカーへの拡販にも注力しています。また、工場で発生する排水や臭気といったお困りごとの解決をお手伝いする環境ソリューションビジネスも展開しています。また、海外拠点であるタイと中国の子会社や、シンガポールなどのパートナー企業と連携し、国内外のお客様へ必要なものをタイムリーに提供できるよう努めています。

日用品事業では、安心・安全に焦点を当てて家庭用洗浄剤や虫の忌避剤、防災対策アイテムなどの商品を企画開発してOEM販売するとともに、大手ECサイトでもプライベート商品を販売しています。土木建設資材事業では、汚染土壌の処理や土壌固化に用いる薬剤など、環境に配慮した薬剤を提供しています。2025年2月には、大豆ホエイを原料とした「ソイビオMA」によるVOCs浄化促進工法が東京都の「地下水の汚染の拡大防止技術」に認定され、持続可能な土壌汚染対策に貢献できると評価されました。

中長期目標は売上高300億円以上、ROE8%以上

2025年6月、当社は京都大学経営管理大学院の砂川信幸教授監修のもと「資本コストや株価を意識した経営の実現について」を開示しました。2025年3月期にそれまで目標としていた連結売上高250億円を達成したものの、資本収益性は資本コストの約7%を下回っているという状況です。今後は、さらなる収益性向上と企業価値向上を図り、中長期的には連結売上高300億円以上、海外売上高比率10%以上、ROE8%以上、PBR1.0倍以上を目指します。

具体的な取り組みとして、基盤セグメントである化学品事業では、オレオケミカルや界面活性剤に関する圧倒的な情報資源を武器に、従来の原材料メーカーや中間製品メーカーへの販売はもちろん、より収益性の高い最終製品メーカーへの展開に注力します。環境ソリューションビジネスでは展示会出展を継続し、製品ラインナップの充実とネットワーク拡大に取り組みます。その他、日用品事業での販路拡大やECサイトの強化、特許や実用新案を活用した高付加価値商品の企画開発、土木建設資材事業での新工法・新薬剤の開発などを推進していきたいと考えています。

また、当社は2023年に株主優待制度を導入し、2025年に配当方針を変更して累進配当を導入するなど株主還元の強化を行ってきました。これは、以前から資本コストや株価を意識して経営を進めてきた表れと捉えていただければと思います。

コロナ禍が明けて以降、おかげさまで順調に業績が伸長しており、今後さらなる伸長を目指し、グループ一丸となって事業活動に邁進する所存です。その成長に伴ってしっかりと株主還元を行っていきたいと考えておりますので、株主・投資家のみなさまにおかれましては、変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。